中国は日本海を目指す?AIIBと中国の外交戦略
アジアインフラ投資銀行・AIIBはどうなるのか?
海面気温の上昇により北極海の海氷面積が減少している。
それに伴い、近年、アジアとヨーロッパを結ぶ新たな航路・北極航路への注目が高まっている。
この北極海航路の可能性や詳細については以下のリンクを参照。
(http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/195160.htmlより引用)たとえば日本から、オランダのロッテルダム港までの海上輸送を、現行の南回りルート、つまり南シナ海、マラッカ海峡、インド洋、スエズ運河、そして地中海を経由するルートで行った場合、約40日かかります。
(中略)
しかし、北極海航路を利用すると、約30日で日本とヨーロッパを結ぶことができるため、製品を納入する納期を短縮でき、運航コストを、かなり減らすことができます。
(中略)今回、日本の海運大手が発表した北極海航路は、主にロシアと東アジア、さらにロシアとヨーロッパを結ぶ定期的な航路です。この中には、ロシアと中国を結ぶ、いわゆる三国間貿易と呼ばれる貿易ルートも含まれます。中国は今回、北極海に面したロシア北部のヤマル半島で、2018年から生産が始まるLNGの長期・輸入契約をロシア側と結びました。このように海上輸送する貨物も、液化天然ガス(LNG)に特化しており、コンテナや自動車ではありません。
中国政府は、既に北朝鮮から不凍港である羅津港(ラジン)の、60年間の使用権=租借権を入手している。
羅津港の戦略的重要性については以下の記事を参照。
中国は、この羅津港を軍港として使用する改修工事を開始している。
アメリカ主導の世界銀行に対抗する目的の下、中国はアジアインフラ投資銀行=AIIBの開設を提唱、英国・フランス・イタリア等の欧州勢力が支援・参加を表明、ホワイトハウスは、その動きに不快感を表明している。
なぜ欧州はAIIBに参加したのか?
中国は、羅津港を出発点として、日本海を通過、津軽海峡を経て、ベーリング海、東シベリア海を通過し、北極へ達し、グリーンランド、アイスランドに拠点を築き、英国・欧州へと向かう商業ルートと、軍事的な海路の開拓を目指している。
中国企業がグリーンランドの港湾に物流拠点を築き、アイスランドの土地買収に熱心な理由は、そこにある。
中国の提唱する、アジアインフラ投資銀行に、英国・フランス・イタリア等の欧州勢力が支援・参加を表明する背後には、中国の潤沢な資金だけでなく、実需=物流と軍事面での、欧州=中国の深慮遠謀・戦略が存在している。