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書評:リデルハート著『抑制か防衛か』

 

「核抑止力論がデマであることが証明された」

 

 

 

 

書物短評 : リデル・ハート 「抑制か防衛か」 防衛研修所研究部

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 本書は、1961年、日本の防衛庁(現・防衛省)によって、核戦略研究の内部資料として翻訳されたものである。

 

アメリカ前ブッシュ政権は、既に、小規模の核兵器の「実戦使用許可」を大統領令として、大統領のサイン入りで出しており、核兵器が実戦使用される事は、時間の問題となって来ている。

 

自国が核兵器を使用すれば敵国も同様に核兵器を使用する事になり、自国民に膨大な被害が出るため、核兵器の使用は不可能になる、核兵器は所持するだけで使えない兵器であり、敵国の核兵器使用を抑止するだけの兵器であるとする、核抑止力論が、全くのデマである事を、小型核兵器は証明してしまった。小型核兵器は、 実戦使用可能であり、敵国の核兵器使用も、抑止しない、核抑止力を「持たない」。

 

 20世紀最大の軍事戦略家と言われたリデル・ハートは、61年当時、あくまで反ソ連の西側陣営=アメリカ・西欧の「防衛」の立場から、軍事戦略を研究していた。その軍事戦略の大家ハートの、核戦略論の集成である本書で、ハートは以下のように明言している。

 

「小規模核兵器は破壊範囲を限定して使用される事で、被害と死傷者を限定するように見えるが、ひとたび小型核兵器が使用されれば、それは必ず、全面核戦争となる」。